興福寺の五重塔
06/24/2008 (Tue)

私が中学生のときの修学旅行は奈良京都の旅
ちょうど東大寺大仏殿の昭和大修理の真っ最中で
工事現場に組まれた足場を渡り、大仏殿へ向かうという貴重な(?)体験をしました。
大仏殿の屋根瓦の寄進の受付は、いまも続けられていますが
当時 “アラン・ドロン”のサインの入った瓦が飾ってあり
これも屋根に上げられるということでしたから
いまも大仏殿の屋根のどこかに、アランドロンのサイン入り瓦があるのでしょうね^^
このときの修学旅行で最も印象に残ったのが、興福寺を見学したときのこと
ガイドさんから聞いた
「明治初期に、興福寺の五重塔が25円で売りに出された」というのは
まだ“神仏分離令”や“廃仏毀釈”について何も知らない私にとっても
かなり印象的なお話でした。
「奈良に於ける神仏分離、延いては廃仏毀釈は、
興福寺に於いて、尤も激烈を極めたりき」
(明治維新・神仏分離史料)
修学旅行から帰ると、そのときの五重塔の話もすっかり忘れていたのですが
のちに司馬遼太郎さんの「街道をゆく 奈良散歩」で知った
興福寺(司馬さんはあえて“旧興福寺”と書いていますが)の
波乱流動の歴史に、かなりのショックをうけました。
阿修羅像をはじめ、天灯鬼・竜灯鬼、北円堂の弥勒如来坐像・・・
すばらしい仏像が残る興福寺ですが
五重塔初層の内陣に安置されている
薬師三尊像、釈迦三尊像、阿弥陀三尊像、弥勒三尊像は
ふだん公開されていないこともあってか、あまり有名ではありませんね。
2000年(平成12年)に、興福寺五重塔初層の内陣が公開されましたが
そのとき見た これらの仏様の印象は・・・怖い・・・のひとことでした。
日光菩薩、月光菩薩、普賢菩薩、文殊菩薩、観音菩薩、勢至菩薩
法苑林菩薩、大妙相菩薩
これだけたくさんの仏様がいるのに、
みんな微笑んでいるわけでも、怒っているわけでもなく
また悲しんでいるようにもみえません。
なにか魂が抜けてしまったような虚ろな目をしているように 私には見えたのです。
興福寺の歴史に重ねあわせるなんて、
センチメンタルな考えは持っていませんが
なんでみんなそろって、こんなにも空虚な表情をしているのか不思議でした。
今年の秋、五重塔初層内陣が特別公開されます。
あの仏様たちとお会いするのは、少し怖いような気もするのですが
前回の印象と、どう変わっているのか
自分の目でもう一度確かめてみたいと思っています。

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